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南部料理(Southern Food)とは、ネイティブアメリカン・スペイン・イギリス・フランス・アフリカ・カリブ諸島等の食材・調理法が融合され、アメリカ南東部独特、又はアメリカ全体に広まっているが、特に南東部で好まれる料理の事を指します。
南部料理と言っても、南部と呼ばれる地域の総面積(16州分)は広大で(南部ってどこ?の記事をご覧下さい)、例えばテキサス州だけでも日本の総面積のほぼ2倍近くあり、南部全ての地域で全く同じ料理を食べている訳ではありません。 例えばBBQですが、州によって、豚塊肉(皮付き・皮無し)・ベイビーバックリブ(豚の背側のリブ)・セントルイススタイルリブ(豚のわき腹から腹部にかけてのリブ)・スペアリブ(豚の腹側のリブ)・ブリスケ(牛の 南部は基本的に豚肉文化ですがテキサス州は別で、BBQには牛肉(特に上述のブリスケと呼ばれる 他の南部の地域では見た事や聞いた事が無い料理が出る州もあります。例えばケンタッキー州のホットブラウン。これはケンタッキーのあるホテルで創作された料理で、トーストしたパンを耐熱容器に並べてハムやローストチキンのスライスを載せ、上からホワイトソースをかけてチーズを散らし、スライスしたトマトを載せてオーブンで焼き上げ、仕上げにカリカリのベーコン(そのまま若しくは砕いて)を飾って頂きます。 この様に州毎(あるいは特定地域毎)に独特の料理がある為、南部料理は絶対こうあるべきとは言い切れません。州どころか、家庭毎にも違うのです。でも南部の料理をご存知の方なら、見たり食べたりすれば、ああ、南部の味だとお分かりになるはずです。 このブログでは、私が今迄食べたり見たり地元の方に教えて頂いたり、自分で調べたりした物で、我が家好みの味として食卓に登場する物を取り上げていきたいきたいと思います。 南部料理に目を向け、南部料理のレパートリーをふやすきっかけになれば幸いです。 #
by TasteSouth
| 2010-06-02 23:34
| 南部料理について
南部料理に欠かせない調味料・スパイス・ハーブを紹介します。
塩 Salt 味付けはこれが無いと始まりません。このブログに掲載するレシピは、ほぼ全てコーシャーソルトと呼ばれる粗塩の1種を使っています。 (元々コーシャーソルトはユダヤ教徒がお清め用に使う塩ですが、料理用として全米に広く浸透しています) 塩の重さの目安 小さじ1/4=1.5g 小さじ1=6g 大さじ1=18g お使いの塩の粒子によっては、スプーン表記とグラム表記にズレが生じる場合があります。その際はグラム表記を優先して下さい。 砂糖 Sugar 日本では砂糖=上白糖ですが、アメリカでは砂糖=グラニュー糖です。(上白糖は日本独自の物で、転化糖が含まれており、グラニュー糖に比べると甘みとコクが強めです) 日本のグラニュー糖に比べると粒子が細かく、溶けやすいのが特徴です。 ブラウンシュガー Brown Sugar グラニュー糖にモラセス(廃糖蜜)を加えた物で、モラセスの量により、ライト(3.5%のモラセス)、ダーク(6.5%のモラセス)等に分かれます。このブログではライトブラウンシュガーを使っています。 日本では入手困難なので、三温糖で代用して下さい。 「(アメリカのご家庭向き)ブラウンシュガーの作り方」 グラニュー糖2C(400g)をボウルに入れ、上からモラセス大さじ3を加え、ハンドミキサーやスタンドミキサーの低速で色ムラが無くなり均一になる迄混ぜます。 胡椒 Pepper 南部だけでなく、アメリカ全土で単に胡椒と言えば、黒胡椒(Black Pepper)の事を指します。主にアジア系が好む白胡椒と同じ胡椒の実ですが、黒胡椒は未熟の実を乾燥させた物で、完熟の実を乾燥させた白胡椒と違った香り、辛味があります。地域によっては黒胡椒・白胡椒両方を使う事もあります。 セージSage・セロリシードCelery Seed・タイムThyme・オレガノOregano・ ガーリックパウダーGarlic Powder セージ(左上) ソーセージの言葉の語源にもなったソーセージ作りに欠かせないハーブです。特に豚肉やトマトの料理と相性が良いです。 セロリシード(右上) 食用のセロリの種です。主にコールスローに使います。あれば便利ですが、無くてもそれ程困りません。 タイム(右下) 南部料理に欠かせないシソ科のハーブの一つです。 オレガノ(左下) イタリア料理でもおなじみのハーブです。これも南部料理に良く登場します。 ガーリックパウダー(中央) ニンニクを乾燥させて粉末状に挽いた物です。 他に、オニオンパウダー(玉ねぎを乾燥させて粉末状にした物)・粉末のカイエンペッパー(唐辛子)・バジル等も良く使います。 これらは全て乾燥品です。家庭では、フレッシュの物を使う事はあまりありません。かつて、フレッシュの物を最盛期のうちに収穫して乾燥させ次の時期まで大切に使っていたそうなので、その名残だと思われます。 #
by TasteSouth
| 2010-05-28 22:01
| 食材・調味料
南部料理に良く使う野菜・イモ類・豆・種実を紹介します。
セロリ Celery 日本の物と違い一株まる毎売られています。日本で見かける物より、味も香りも濃厚です。 グリーンベルペッパー Green Bell Pepper 日本で言うジャンボピーマンに相当します。日本のピーマンより苦味やえぐみが少ないので、日本でピーマンが苦手だった方(私含む)も召し上がれるかもしれません。手に入らない場合はピーマンで代用できます。 玉ねぎ Onion イエローオニオン(日本の玉ねぎに相当)、ホワイトオニオン(白玉ねぎ)、レッドオニオン(赤玉ねぎ)等の他にジョージア州特産のヴィダリアオニオン(Vidalia Onion・ヴァイダリアオニオン)と呼ばれるスイートオニオンがあります(写真)。良く見かける一般的な玉ねぎよりも甘味が強く水気が多目です。ワシントン州のワラワラオニオンや、ハワイ州のマウイオニオンもこのスイートオニオンの一種です。スイートオニオンが手に入らない場合は普通の玉ねぎで結構です。 この上記3種類の野菜は南部料理に欠かせない物で、地域(ルイジアナ州等)によっては3種類まとめてトリニティー(Trinity)と呼びます。本当はHoly Trinity(聖なる三位一体。キリスト教由来の言葉。アメリカ南部はキリスト教徒が多い為でしょうか)なのですが、Holyを付けて呼んでいるのを今の所聞いた事はありません。 (ちなみに、日本におけるTrinityは出汁・醤油・みりんだそうです) 葱 Green Onion・Scallion 日本の葉葱と同様の物です。加熱調理のほか、料理の仕上げに刻んだ物を散らして使ったりします。 グリーンズ Greens 煮込みに使う葉物野菜の総称です(写真はカラードグリーン)。 カラードグリーン(コラードグリーン Collard Green)、ケール(Kale)、ターニップグリーン(Turnip Green カブの葉)、マスタードグリーン(Mustard Green 芥子菜)の4種類が代表的なグリーンズです。 通年フレッシュの物が手に入ります。旬の秋冬に出回る物はさすがに旬だけあって少し柔らか目ですが、夏場に出回る物はびっくりする位ゴワゴワで硬いです。しかし、基本的にどの季節の物でもクタクタになるまで煮込むので、気にする必要はありません。 束で売っている物はお祝いの花束サイズに大きいので、少人数の家族用にはカットして袋詰めした物を利用する事が多いです。(でも1lb.450gもありますが・・・) 日本の野菜だと、カブの葉、高菜、かつお菜、野沢菜等の漬物向きの葉野菜で代用できます。 さやいんげん Green Beans 南部料理の付け合わせに良く使います。日本の胡麻和えの様にさっと茹でるのでは無く、離乳食?という位柔らかく煮込む事が多いです。 通年フレッシュの物が出回りますが、時期的に手に入りにくい時は冷凍や缶詰を使う事が多いです。(このさやいんげんの缶詰はクエン酸が入っていて不味いので、お薦めしません) 人参 Carrot アメリカは人だけでなく野菜や果物も大きいのですが、小さな物もあります。それの代表格は人参です。 日本のそれのほぼ半分の細さ(長さは日本の物より少し長めですが、太さは大きめのゴボウ程度。1本の重さは50g相当)で微妙に物足りません。梅型で抜いてねじり梅を作る事も出来ません。 イメージするなら沖縄の島人参位です(局地的な説明で分かり難い) とうもろこし Corn 日本人はとうもろこし好きですが、南部の人も負けていません。フレッシュのとうもろこしが手に入る時期(フロリダでは5月頃から)になりスーパーの野菜コーナーに山積みになると、人々は嬉々としてトウモロコシ選びをしています。 実が白い物、黄色い物、又は両方のミックス(バイカラー)そしてそれぞれに糖度の高いスイートコーンがあります。南部の方はスイートコーンを好む様です。 特別な表記がない限り、夏場以外は冷凍品で構いません。 トマト Tomato 南部の人はトマトが大好きです。どれ位好きかと言うと、赤く完熟する前の緑の物も加熱料理に使う位です。(写真2枚目) 生食よりも加熱調理の方が多く、冬場には缶詰のトマトも良く使います。 オクラ Okra 日本でもおなじみのオクラは、日本の方にはあまり知られていませんが、アフリカ原産です。 南部では、煮込んだり、揚げたりする調理法を好みます。通年フレッシュの物が手に入りますが、夏場以外は値段が高い上に鮮度もイマイチなので、その時は冷凍品を使います。 ↓続き(More)にイモ類、豆類、種実類の説明。 More #
by TasteSouth
| 2010-05-27 02:23
| 食材・調味料
アメリカ南部(The South又はAmerican South)とは、北米アメリカの南東部の事を指します。
具体的に現在(南北戦争後)南部に所属する州は16州です。 南大西洋側(The South Atlantic States) (メリーランド州) (デラウェア州) バージニア州 (ウエストバージニア州) ノースキャロライナ州 サウスキャロライナ州 ジョージア州 フロリダ州 東中央部(The East South Central States) ケンタッキー州 テネシー州 アラバマ州 ミシシッピ州 西中央部(The West South Central States) アーカンソー州 オクラホマ州 ルイジアナ州 テキサス州* メリーランド州・デラウェア州・ウエストバージニア州はカッコ書きにしていますが、ボーダーラインが非常に曖昧で(南北戦争でどちら側についたか等の歴史に関与する為)、書物によっては南部に入っていない事もあります。 *のテキサス州は、南部独特の食文化とは少し異なる為(一般的に南部は豚肉文化ですが、テキサス州は牛肉文化、隣接するメキシコとの融合料理TEX-MEX等)、南部料理本の執筆者の中には、テキサスを南部とみなさない人もいます。 ディープサウス 南部でも色んなカテゴリーがあり、ディープサウス(個人的意訳はコテコテ南部)と呼ばれる地域があります。 ルイジアナ州 アラバマ州 ミシシッピ州 ジョージア州 サウスキャロライナ州 (アーカンソー州) (テネシー州) (フロリダ州) (テキサス州) これらの州が挙げられます。 カッコ書きの州は州全体では無く、一部の地域がそう呼ばれる州で、例えば私が住んでいるフロリダ州は、北側(北東部・北西部)は季候・食べ物ともに南部に組み込まれますが(私は北側に住んでいます)、メジャーリーグのキャンプが行われる事でも有名なタンパやディズニーワールドがあるオーランド等の中央フロリダより南側は、フロリダと聞いてイメージする明るい色の海、椰子の木、常夏(ちゃんと冬もありますが、かなり短期間)、キューバ系・プエルトリコ系移民が多く、食事面でもいわゆる南部とは印象がかなり異なります。 なので、フロリダにおけるいわゆるディープサウスと呼ぶエリアの南端は、中央フロリダで区切られています。 これ(ディープサウスの区切り)はテキサス州・テネシー州・アーカンソー州にも当てはまり、テキサスの場合は東西に分けて東側迄が、テネシー州・アーカンソー州はデルタエリア(ミシシッピ川流域)がディープサウスと呼ばれます。 #
by TasteSouth
| 2010-05-26 23:33
| 南部料理について
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