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拙書「アメリカ南部の家庭料理」(略して「アメかて」だそうです)、本日発売です。 沢山の方にお世話になりました。 レシピや南部料理についての情報にページを割き過ぎた為、この本には前書き、あとがきはありません。 発売のお知らせを兼ね、ここではあとがき的な本の刊行に至るまでの経緯をお話したいと思います。 (ちょっと長いので、お時間がある時にご覧下さい) アメリカ南部の家庭料理を日本の方に知って頂ければ。その思いだけで動いてきました。 まずは手始めにこのレシピブログを始め、漠然と「いつかレシピ本としてまとめる事が出来れば」と考えていました。それは「(いつか日本人の誰かがアメリカ南部料理本を出すだろうから)還暦記念位に自費出版で」位のゆるいものでしたが、そのうち「いっその事自分が動いてみよう」と思い立ち、生まれて初めて書籍企画書を作りました。最初に書いたのは表紙1枚、内容1枚、私の略歴1枚、合計3枚の笑ってしまうほどペラペラしたもので、とある方にメールに添付して見ていただきました。 その方は笑う事も否定もせず、まず肯定をし、これをベースに肉付けすれば良いですよと丁寧に事例を出しながら説明して下さいました。認められ、褒められる事で伸びるタイプにはぴったりの返信で、気を良くした私は10枚ほどの書籍企画書を作り、さあどの出版社に送ろうか。そう思った時に東日本大震災がおきました。 本どころではないニュースがアメリカにいても伝わってきて、自分自身の気分もとても沈んでしまい、もう企画書を送る事自体無理だろうなあと半ば諦めていた時、軽やかな文章と美味しそうな料理に惹かれてよく遊びに行っていた料理家の高谷亜由さんのブログで、料理本制作中の裏話が掲載されているのを見つけたのです。 その裏話を読んでいると、著者・編集者の距離が近くて対等でありつつも穏やかな印象を受け、その制作中の版元のホームページを調べてのぞいてみると、「あ、私が(企画書を)送るべきところはここだ」と鍵がかかっていたドアが開いたような気分になりました。 そこが、教科書等を出している中央出版の一般書籍(生活・レシピ本)部門、アノニマ・スタジオです。 早速問い合わせ用の連絡先に「企画書を見ていただきたい」と言った内容のメールを送ると、すぐに拝見して下さる旨の返信を頂きました。その返信をして下さった方が、高谷さんの料理本の編集をされていた田中さんでした。次のメールで企画書を添付し待つ事数日。再び田中さんから返信を頂き、OKの返事。南部料理は日本の方にも受け入れてもらえるとは信じていますが、自分で企画書を送っておきながらまさか最初に送ったアノニマ・スタジオからOKが出るとはさすがに思っておらず、しばらくこれは夢ではなかろうかと呆然としたのを今でもはっきり思い出せます。 その後、担当編集として田中さんに付いていただき、デザイナーに高谷さんの本を担当された渡部浩美さんが決まり、イラストには私の推した方が決まりました。それが私のペラペラ企画書を笑いもせず見てくださったコリスケさんです(本のイラストクレジットは、ハンドルネームではありません)。 その間に実際に掲載するレシピを企画書で提案したものから泣く泣くかなり削り、前菜~デザート~基本を網羅する内容に決めて制作が始まりました。 夏にかけてぐんぐん上がっていく気温。時には40℃近い気温の中で首にタオルを巻いて、人様にお見せできない姿でプロセス写真、完成写真の新規撮影、撮り直し続ける日々。夜ベッドに横になると1分で寝付けるほど毎日疲れ果て、一度は腰痛でERのお世話になった事もありますが、とても楽しく、充実していました。制作中には試作をお願いした友人・知人から的確なコメント付きのフィードバックが帰ってきて、レシピを調整したり。親友A子さん、Iさん、Aちゃんありがとう。そして、試作隊の中でもcooさん、まんごーさん、genkimanmaさんには本当~にお世話になりました。改めてお礼申し上げます。 まんごーさんには陣中見舞いを頂きました。とても美味しく、そしてお心遣いが嬉しかったです。 無事入稿した後は、渡部さんがまとめて下さったPDFファイルを見ながら、文章量調整&校正の日々。これがまたなかなか大変で、写真を撮る方がよっぽと楽だと思った位。田中さんを何度も夜中までアノニマ・スタジオに縛りつけつつ、意見交換をしながら、引くところは引いて、押す所は曲げずに押してとどんどん形になって行きました。 欲張った結果、アノニマ・スタジオから刊行している本では最大のA4サイズ&176ページ。デザイナーの渡部さんにとってもレシピ本を担当された中では最大ボリュームサイズの大型本が出来上がりました。 編集の田中さん、デザイナーの渡部さん、イラストのコリスケさんには本当にお世話になりました。田中さんは私をいつも励まし、褒めて下さり、気分よく制作の道にもって行きます。そして驚くべき事に、レシピの殆ど全てを試作して下さいました(ちなみに男性です)。その間にきちんとバケーションも取り、時差ぼけをもろともせずパワフルに仕事に戻られる姿に(と言ってもメールでのやり取りですが)、このエネルギーは一体どこから湧き出てくるのかと度々驚嘆したものです。 渡部さんは何度も丁寧にデザインを練って下さり、次から次に続く膨大な内容変更、追加、修正を受け入れて下さいました。 コリスケさんには南部らしい素敵なイラストを描いていただきました。 お三方共通して「(大変だったけど)楽しく仕事が出来ました」と仰っていただけたのが何よりです。 そして、丁寧な印刷・製本をして下さった廣済堂の皆様方に心より感謝致します。 まめに料理をされる方、そうでも無い方、どちらにも実用書・読み物として楽しんでいただけると思います。 アメリカでは、良い料理本は何十年も発売され続け、60~100年、下手すればもっと前の料理本が現在も刷られている事さえあります(私が持っている友人から貰い受けた一番古い本は、アメリカ初代大統領夫人の料理本です)。 もちろんそこまでとは言いませんが、長く使っていただける本になればなあと願っています。 アメリカ南部はとても保守的な地域で、料理に対してもそれは言えます。その為、数百年近く殆ど姿を変えずに伝わっている料理が沢山あります。一時の流行廃りで消えてしまうものに比べたら、マンネリかもしれません。 ですが、家族や地方に世代を超えて伝わっていく味があるというのは、何て素晴らしいことだろうと私は思うのです。 この本を通じてアメリカ南部の味に触れて頂いた後は、皆さんのご家族やお住まい、ご出身の地方に伝わる変わらない味にも改めて目を向けて頂ければと思います。 最後までお読みいただきありがとうございました。 このレシピブログはのんびりペースになるかもしれませんが続けていきますので、拙著同様、ご愛顧頂けると嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。 アンダーソン夏代 拝
by TasteSouth
| 2011-11-29 22:15
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